個性的な描写のオールドレンズが欲しい。
そんな方へ大推薦のレンズ。

Vivitar 28mm F2
ビビターはアメリカのカメラ機材の商社で色々な会社からカメラやレンズの供給を受けブランド化して販売していた会社。

こちらのレンズの製造は日本のキノ精密工業によるものでKiron 28mm F2とは双子レンズといえるでしょう。

メイドインジャパンながら日本発売はなく、日本での知名度に反して海外では絶賛されたレンズです。

7〜10枚目の作例を見ていただければこのレンズの面白さがお分かりいただけると思います。

近接撮影時の強烈な収差による独特な描写。
放射状に流れる多数のバブルボケ、虹色ゴーストの発生、しかし中心部のピント付近はしっかり解像している。

焦点距離28mmというと一般的な廉価レンズとしては開放F値2.8が定番。

たった一段とはいえF2.8に対してF2は2倍の明るさとなる為設計も非常に難しくなります。

いわゆる高級レンズの部類に入ります。

NIKKORと同等或いはそれ以上の作りの良さを感じます。

双子レンズのKironは全群繰り出し式ですが、こちらのVivitarはNIKKOR同様フローティング機構を取り入れています。

同じ時期の同じメーカーの同じ焦点距離と開放F値ながら不思議と中身は結構違います。

しかし同様の収差による独特な描写が今の時代となっては大変な価値となります。

使用時にピント位置を近接から離していくと真面目な描写へと変わり、開放では広角ながらF2によるボケ味や立体感の表現も可能。

周辺減光も強めに出ますがそれも個性と云えるでしょう。

更に絞り込んでの風景描写ではシャープな写りで広角レンズらしい撮影も可能です。

撮影距離と被写体、被写体と背景の距離を考えて狙って写真を撮る面白みや知識が身につくレンズでもあります。

レンズの状態
カビやクモリはありませんが微細なコーティング劣化が見られます。

絞り機構含め全てのパーツの分解清掃を行いヘリコイドグリスは交換済み。

マウントはNikon FマウントのAiです。

NikonのFマウントには絶対にない描写で個人的にオススメのレンズです。

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