確か今回で3台目。基本は非常に希少モデルです。
73年に発売されて居て、当時でも珍しい2ウェイスピーカー搭載機でした。
低音部は12cm、高音部は5cmのスピーカーが使われて居て、他社のラジオではまず使われて居ない指一本で低音も高音も調整出来るクリエイトサウンドシステムを搭載して居ました。
ビクターは当時流行の最先端にあった4チャンネルステレオの技術ではトップランナーの一社で、そこで生まれたコントロール方式を音質調整に使って居ます。
中を開けてみればある意味コロンブスの卵なのですが、地球儀の両極と赤道を貫く2本の棒をつけて其々にボリュームを付けます。棒の交差する部分から棒を伸ばすと、上下左右に動かす事が出来る訳ですが、それがこのクリエイトサウンドです。
4チヤンネルの場合は自分のいる位置にバーを持ってゆけばそこがベストリスニングポジションになり、音質調整に使えば、自分の好みの高音と低音のバランスに出来るという優れものです。但し、低音と高音の両方を最大、或いは最小にする事が出来ません。この点は欠点でしょう。
このモデルの最大の売りは音の良さで、ナショナルのワールドボーイ、クーガ、ソニーの11シリーズ、スカイセンサーのどのモデルよりも良い音がします。
ぱっと聞きの実在感が凄いと思います。
これはラジオ、アンプ、スピーカーのどれかが優れているだけでは駄目で、それらが高いレベルにあって尚且つ徹底した試聴を繰り返した音であるからでしょう。
デザイン、耐久性、発売時の人気は上述した大手メーカーの代表機には及びませんが、ラジオマニアであればお手元で、その実力を聴き比べるのも一興でしょう。
この個体は電源スイッチと機能の切替スイッチが破損して居て、応急処置をして居たジャンク品として落札。
電源スイッチは木ネジとプラパイプで自作、機能切替スイッチは前所有者の修理をそのままに使って居ます。
電池のみお付けします。

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